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集 会 宣 言

 

 

 

 

 今年は、日本国憲法が施行されて70年という節目の年です。しかし、その憲法を変えようとする勢力が、これほど力を持ったことは、過去になかったことです。「集団的自衛権行使」を容認した安全保障関連法が、今実際に運用され、政府は、自衛隊を「戦場」に送り出す既成事実を積み上げています。しかし議論をつくさず、数の力でなし崩し的に改憲へと向かうことは、決して許されることではありません。

 日本国憲法がアメリカ占領軍による「押しつけ憲法」であるという論調は、政権を担ってきた党の中から、絶えることなく発せられてきましたが、国民主権が宣言され、基本的人権、個人の尊重、平和主義を謳った憲法を、国民は受け入れ、支持し、70年にわたって選び取ってきたのです。

 むしろ憲法の理念を具体的に生かすためには、たゆまぬ努力が必要でした。

14条の「法の下の平等」では、「すべて国民は、法の下に平等であって、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない」ことが謳われ、昨年施行された「障害者差別解消法」「ヘイトスピーチ対策法」そして「部落差別解消法」は、70年たってはじめて、この14条の理念を個別課題にしぼり、充実させたのだといえます。

 差別されないとは、差別が許されないこと。差別された痛みが救済されることです。その社会的合意の結実として、さらなる人権侵害救済法が必要とされています。

 人権尊重という価値観を基軸した社会をつくっていくということは、意識的に教育され、言葉にされ、人びとが実感をもって身につけ、具体的な関係性において生かされることでしか為しえません。法制定はそのための礎なのです。

 自らの痛みを媒介にして、他者の痛みを知り、様々な人権課題の共通項と個別性を認識しながら、共生・協働の社会創造に向け、私たちはこれからも歩んでいきます。

 

 

 

 

2017年2月18

 

48回人権交流京都市研究集会 参加者一同

 

  

 

 

 

 

 

 

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