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第48回人権交流京都市研究集会

  分科会

「共に生きることをめざして」

〜これからの人権教育の課題と展望を考える〜

                     大谷大学2号館2202教

実践報告・協議

  実践報告者

 

外国にルーツを持つ児童の学力保障をめざして

(とう) h(ちぃ) (京都市立池田小学校)

 

「中学生版・草の根日朝交流―京都朝鮮中級学校との交流」

  西村 府子・柴田 俊毅(京都市立嘉楽中学校)

 

「排外主義の闇に(あらが)う教育実践とは?〜

『ケアリング』・『(きょう)()』・『(とも)()み』の思想から」

          (そん) 美幸(みへん)(大阪大学大学院人間科学研究科)

 

助 言 者

 孫 美幸(大阪大学大学院人間科学研究科附属未来共創センター講師)

 

 司会  山口 寛人 (京都市小学校外国人教育研究会)

松川 敦子 (京都市立中学校教育研究会人権教育部会)

 

記録 今西 和哉 (京都市小学校同和教育研究会)

      黒岩 寛史 (京都市小学校外国人教育研究会)

      庶務 佐藤幸大朗 (京都市立中学校教育研究会人権教育部会)

 

 

 第4分科会では,「共に生きることをめざして 〜これからの人権教育の課題と展望を考える〜」を掲げ,「一人一人の違いを認め合い,すべての子どもが自尊感情を高めることができる学校づくり,すべての子どもの人権が保障され,アイデンティティの確立に向けて支援できる学校づくりをめざそう」を討議の柱として,3本の実践報告を受けて協議を進めた。

 董h(とう ちぃ)さん(京都市立池田小学校 日本語指導員)からは,「外国にルーツを持つ児童の学力保障をめざして」として,小学校に通う外国人児童の具体的な実態と課題をふまえ,日本語教室が果たすべき役割と取組についての報告があった。西村府子さん・柴田俊毅さん(京都市立嘉楽中学校 教諭)からは,「中学生版・草の根日朝交流―京都朝鮮中級学校との交流」として,民族学校に通う生徒とのさまざまな形での交流を通して見られた中学生の姿から,これからの多文化共生社会むけての教育実践の可能性について報告があった。(そん)美幸(みへん)さん(大阪大学大学院人間科学研究科)からは、『排外主義の闇に抗う教育実践とは?〜「ケアリング」・「共苦」・「共生み」の思想から〜』として、多文化共生教育の実践に福祉的視点を取り入れることが欠かせないとして、実際に主体的に取り組んだ学校を例に挙げての報告があった。

 3本の報告の後に行われた協議では、韓国・朝鮮にルーツをもつ児童生徒の交流の中で、保護者との連携をどのようにされているのか様々な立場から意見交換がなされた。学校では、日本語指導だけでなくいくつもの関係機関を使って組織的に取り組みを進めていくことが重要であることが確認された。子ども達がその場で、日常・思考・学習のどの言語で思考しているのかを把握しないと、その子達の学力を保障することができないことも確認することができた。

 多文化共生を目指す教育の討議の中で、被差別の立場におかれる可能性のある児童生徒がアイデンティティを確立し、生きる力を培うことが保障され、全ての児童・生徒が一人・一人の違いを認め合いながら、互いの人権を大切にできる学校・学級づくりをめざすための討議をすることができました。

 最後には今後その児童・生徒の「ルーツ」だけを見るのではなく、「ルート」への配慮を検証していかなくてはならないことと、あらゆる背景をもった子ども達を包含する教育に事例から、今後の多文化共生プログラムの展望を考えることができました。

 

 

 

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