朴 実(パク・シル)さん(京都・東九条CANフォーラム)
「共に生きる社会を求めて
〜東九条マダンに託す願い〜」
◆歌と演奏◆
■歌:ハンマダン
■演奏「ワダサム」
(サムルノリ:ハンマダン+1 和太鼓:「怒涛」)
全体集会では朴 実さん(京都・東九条CANフォーラム代表/東九条マダン元実行委員長)が「共に生きる社会を求めて」とのタイトルで記念講演をおこないました。
在日朝鮮人2世の朴さんは東九条で生まれ、若いころは朝鮮人であることが嫌だったといいます。日本人になりたくて通名〈新井〉を貫きますが、高校では国籍を理由に奨学金を得られずに定時制に通い、市立芸大卒業後も、音楽講師の仕事が朝鮮人であることを理由に駄目になりました。
交際相手の日本人女性は、朴さんが朝鮮人であることを受け止めてくれましたが、女性の両親は結婚を認めず、条件として帰化を求められました。日本的氏名への変更を強いられ、10本の指紋と掌紋まで採られるなど、帰化手続きは屈辱的でした。
結婚後、朝鮮人の苦難の歴史を学び、新井ではなく朴で生きることを決意しました。1987年に日本国籍者として民族名の朴を取り戻します。また民衆文化団体「ハンマダン」結成に関与。これはやがて「東九条マダン」の実現へとつながります。
苦闘の半生があったからこそ、分断や敵対ではなく〈共に〉を求める朴さん。その実現の場が、さまざまな人びとが共に創る「東九条マダン」です。このまつりの演目の一つが、朝鮮打楽器のサムルノリと和太鼓のセッション、通称〈ワダサム〉。基本リズムを異にする打楽器が共鳴する演奏は、まさに〈共に〉を具現化なのです。
講演後、ハンマダンのメンバーが歌を披露。そして〈ワダサム〉の演奏。躍動する音が会場を揺るがしました。
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